こんにちは。masatoです。
みなさんは「Touch Bar」をご存知でしょうか。
Touch Barとは、Appleが製造・販売するMacBook Proのキーボード上部に搭載されているタッチスクリーンのことです。
2016年のMacBook Proに初めて搭載されて以来、かれこれ6年ほどが経過しています。
MacBookユーザーであれば使用された方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら、大半のMacbookユーザーにとってTouch Barは歓迎されるどころか、邪険に扱われているように思われます。
今回はそんなTouch Barは失敗だったのかについて考察します。
Touch Barとは

Touch Barとは、Macbook Proのキーボード上部に搭載されているタッチスクリーンです。
従来ファンクションキーが存在していた部分に新たにタッチスクリーンを設置することで、ユーザーはiPhoneやiPadのようにタッチして直感的な操作を可能にするものでした。
それまでのモデルから大幅にMacの見た目が変わったこともあり、当時としては大変な”目玉機能”でした。
Touch Barでできること
Touch Barにより、ユーザーはMacbookをより直感的に操作することが可能になります。
使用しているアプリケーションや実行している作業によって内容が変化するので、常に適切な機能やコントロールが表示されます。
Touch Barの操作画面
実際の操作画面を見てみましょう。
SafariでWebブラウジングするとき
Safariを開いているときは検索窓が表示されます。

SafariでWebブラウジングするとき(複数タブ)
今度はSafariで複数タブを開いてみましょう。
すると開いているタブをTouch Bar上で確認できるようになります。

デスクトップ画面のとき
デスクトップ画面ではこちら。

音楽アプリを開いているとき
音楽アプリを開いているときはこちら。現在再生されている曲の位置が表示され、曲送り、曲戻し、停止のボタンが表示されます。

Control Stripは便利
Control Stripとは、Touch Barにデフォルトで搭載されている機能。
Touch Bar上にショートカットボタンを4つ選んでセットすることができます。常にショートカットは表示されているので、スリープボタンやデスクトップ移動ボタンをセットしておくと、サッと目的の行動が取れて便利です。

Appleは「革新的」というが…
発表当初、AppleはTouch Barを革新的な機能であると強調していました。
しかし実際に使ってみるとTouch Barは“かなりクセの強い存在”であることに気づかされます。
Touch Barいらない。物理キーに戻してほしい。
アップル自身もそうした声に気づき始めたのか、現在発売されているMacbook Proのうち、最上位のAppleシリコンM1Pro/M1 Maxを搭載しているモデルではTouch Barが廃止され、物理キーに戻っています。
なんでTouch Barは嫌われているの?
その理由は3つあります。
Touch Barが嫌われている理由
①作業が遅れる
Touch Barは従来ファンクションキーやエスケープボタンがある列に導入されました。
従ってファンクションキーなどを押す時にはTouch Barの部分をおす必要がありますが、指先だけではちゃんと目的のボタンを押せているかがよくわからず、都度目視を強いるものでした。
また、アプリごとにTouch Barの表示のされ方が変わるため、わざわざ視線を落として確認する必要がありました。
こうした頻繁な視線の移動を伴うことから、「作業を遅らせる」要素としてユーザーから不評でした。
②触覚フィードバックがない
Touch Bar部分はタッチセンサーのため、押したときの感覚がありません。したがってちゃんと押せたかどうかを都度確認する必要がある点も不満要素のひとつでした。
(補足)サードパーティアプリで触覚フィードバックを追加可能
サードパーティアプリ「Haptic Touch Bar」を入れることで、Touch Barを押した時にトラックパッドへ触覚フィードバックを追加することが可能です。本来であれば標準装備してほしい機能ですね。
→【Haptic Touch Bar】https://www.haptictouchbar.com/
③サードパーティアプリに浸透しなかった
Touch BarはMacBook Proにしか搭載されていません。
そのため一部のアプリを除き、Touch Bar専用のUIをわざわざ用意してくれるアプリはなかなか存在しませんでした。
結局、トラックパッドに次ぐMac第2のセンサーとしての役割を期待されたTouch Barは、その役割を見出されることが少なかったのです。
Touch Barは失敗だったのか
「Touch Barは大胆な試みだったが、Proへの搭載は失敗だった」というのが結論です。
作業に習熟したプロユーザーほど、作業効率を高めるためFキーを駆使しているかと思います。
Touch BarはこうしたFキーをまるごと無くし、タッチセンサーにした結果、目視で場所をいちいち視認する必要があるといった「作業を遅らせる」迷要素が生まれてしまいました。
サードパーティアプリにも活用してもらい、プロユーザーのUXを高めてもらうはずだったAppleの野望は、残念ながらほとんど実現されませんでした。
結果的に、MacBook Proのコアターゲットであるプロユーザーに対して最適なソリューションを提供できていなかったという点で、失敗だったと言えるのではないでしょうか。
Touch Barの今後
大部分のMacユーザーから邪険に扱われていたとはいえ、一部ユーザーには非常に愛されていたTouch Bar。
Touch Barは今後無くなってしまうのでしょうか。
私は「高価格帯では廃止され、低価格帯Macbookで細々と生き残る」と予測しています。
ライトユーザーにとっては便利
というのも、動画編集などヘビーに使い倒さないけど、ネットや動画鑑賞程度を目的としたライトユーザーにとってTouch Barは引き続き訴求力のある機能であると考えられるからです。
登場から年数も経ち、比較的目新しさの無くなってきたTouch Barは、Proモデルからは廃止される一方で、MacBook(無印)やMacBook Airなど下位モデルへと順次展開されていくのではないでしょうか。
まとめ
今回はTouch Barについて考察しました。
本稿ではProへのTouch Bar搭載は失敗だったと結論づけていますが、2022年9月現在では最新Macbook Pro(M1搭載モデル)に引き続きTouch Barは搭載されています。
これを機に、Touch Barを試してみるのはいかがでしょうか。
それでは、さようなら。
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